蛇口(水栓)の水漏れはなぜ起きる?|原因と修理方法を詳しく解説

「きちんと蛇口を閉めたはずなのに水がポタポタ…」「ハンドルの根元からじんわり水が…」といったご相談を、当社でも多く承っております。

蛇口の水漏れは、発生しやすいトラブルです。しかし原因が分かっていれば、応急処置や軽度な修理で改善できる場合もあります。まずは「水がなぜ漏れるのか」を押さえ、そのうえで適切な対応方法を知っておきましょう。

目次

水漏れが起きる箇所と原因

水栓の種類や水漏れの発生箇所によって、原因・対処法が異なります。
主に採用されている水栓ごとに詳しく解説します。

単水栓

1つのハンドルで水(またはお湯)を出す、もっとも基本的な構造の蛇口です。洗面台・屋外・トイレ手洗いなどで多く使われます。よくある水漏れ箇所は以下の図の通りです。

ハンドルの根元からの水漏れ

長年の使用で、ハンドル内部の「三角パッキン(グリスパッキン)」が劣化し、スピンドル(軸)と本体の隙間から水が滲み出ている状態です。

【修理方法】

  1. 止水栓または元栓を閉める。
  2. ハンドルのキャップを外し、ネジを外してハンドルを取り外す。
  3. スピンドル(軸)をモンキーレンチで外す。
  4. 内側にある三角パッキンを新しいものに交換。
  5. スピンドル・ハンドルを元に戻す。

水栓と壁の間からの水漏れ

取付ねじ部に巻かれているシールテープの劣化や、接続ナットの緩みが原因です。長年の使用時の圧力や振動・温度変化で接合部が緩むことがあります。

【修理方法】

  1. 止水栓または元栓を閉める。
  2. 本体を外し、古いシールテープをすべて取り除く。
  3. ネジ山の進行方向(時計回り)に新しいシールテープを7〜10回巻く。
  4. 本体を再度しっかり締め付けて接続。→ 締め込み不足・過剰締めはどちらもNGです。水漏れ再発やねじ山破損の原因になります。

吐水口からの水漏れ

内部の「コマパッキン(ケレップ)」の劣化が原因です。
ハンドルを閉めても完全に止水できず、弁のゴムが摩耗しわずかに水が通ってしまう状態です。

【修理方法】

  1. 止水栓を閉める。
  2. ハンドル・スピンドルを外す。
  3. 内部のコマパッキンを取り出し、新品に交換。
  4. 逆順で組み立て。

ツーハンドル水栓

「お湯」と「水」をそれぞれのハンドルで調整するタイプ。洗面台・浴室・キッチンの古いタイプに多いです。
内部構造は単水栓が2つ合わさった形で、同じくコマパッキン・三角パッキンを使用します。
よくある水漏れ箇所は以下の図の通りです。

ハンドルの根元からの水漏れ

三角パッキンの劣化またはスピンドル部の劣化が原因で、単水栓と同じくハンドル軸部から水が滲み出てきます。

【修理方法】

単水栓と同じ手順で、各ハンドル内部の三角パッキンを交換します。
左右どちらか一方だけの水漏れでも、同じタイミングで両方交換しておくと安心です。

パイプの根元からの水漏れ

パイプと本体を接続する部分にある「Uパッキン」または「Oリング」の劣化が原因です。
レバーを左右に動かしたり首振りが多いタイプでは、この部分が摩耗しやすくなります。

【修理方法】

  1. 止水栓を閉める。
  2. パイプ固定リングを上に引き上げ、パイプを抜く。
  3. 根元のUパッキンまたはOリングを新しいものに交換。
  4. 組み戻して動作確認。→ Uパッキンはメーカーごとに形状が異なるため、品番確認が必要です。

吐水口からの水漏れ

左右どちらかのコマパッキンが劣化しており、完全に止水できていない状態です。
またはハンドル内部のスピンドルねじ部の摩耗も原因のひとつです。

【修理方法】

  • 各ハンドル内部のコマパッキンを交換。
  • それでも止まらない場合、スピンドルごと交換。→ 古い混合栓ではパーツが入手できないこともあり、その場合は蛇口本体の交換が必要になります。

シングルレバー水栓

1本のレバーで水量・温度を調整するタイプでキッチン・洗面台・浴室の主流となっている形状です。
内部はカートリッジという部品で開閉・混合を制御しています。

レバーの根元

内部の「カートリッジ」または「Oリング」の劣化が原因です。
特にレバー操作部のOリングは、水圧・摩擦による劣化が進みやすいため、長年使用していると水漏れが発生します。

【修理方法】

  1. 止水栓を閉める。
  2. レバーの固定ネジを外し、レバーとカバーを外す。
  3. カートリッジ押さえリングを外し、カートリッジを取り出す。
  4. 新しいカートリッジまたはOリングに交換。→ カートリッジはメーカーごと・品番ごとに形状が異なるため、必ず本体刻印または取扱説明書で品番確認が必要です。

本体と台座の隙間からの水漏れ

固定ナットの緩みや台座部のOリングの劣化が原因です。長年使用で本体がわずかに動くようになり、その隙間から水が滲む出てくることがあります。

【修理方法】

  1. 本体下の取付金具・ナットを締め直す。
  2. 改善しない場合は、本体を一度外してOリングを交換。→ シンク下からの作業になるため、工具が届きにくく作業が難しい場合は、専門の水道業者に依頼をしましょう。

吐水口からの水漏れ

カートリッジ内部の弁座(バルブ)が摩耗または汚れによって密閉できなくなっていることや、
または吐水口先端の泡沫キャップ内にゴミや水垢が詰まっているケースも考えられます。

【修理方法】

  1. 吐水口先端のキャップ(整流キャップ)を外して洗浄。
  2. 改善しない場合は、カートリッジを新品に交換。→ カートリッジ交換でほとんどのケースは改善します。

自分でできる修理と水道業者に依頼した方が良いケース

パッキンが原因の水漏れであれば、必要な工具と水栓の内部構造の知識があれば、自分で修理することが可能です。
ただし、手順を間違うと水栓を破損させてしまったり、水漏れが止まらなくなるため、基本的には水道業者への依頼をおすすめします。
特に使用年数が長い水栓の場合は、給水管や止水栓が劣化している場合があるため、慎重に作業する必要があります。

まとめ

水栓は、日常的に使用するため部品の劣化が起こりやすく、水漏れが発生しやすい場所の一つです。
パッキン交換などの自分で修理できる場合もありますが、適合する部品の選定には、水栓の品番確認や形状を確認する必要があります。また、給水管や水栓の劣化状態によっては、慎重に作業を行わないとさらに水漏れを深刻化させてしまうことがあるため、基本的には水道業者への依頼をおすすめします。

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この記事を書いた人

滋賀県湖南市を拠点に、創業50年以上、地域密着で水道・空調・リフォーム工事を手がける企業です。
市の指定工事店として水漏れ修理から水まわりリフォーム、エアコン設置・交換などに対応。
戸建住宅からマンション、事業所、公共工事まで幅広く施工しています。

【対応エリア】
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