毎日の生活で欠かせない給湯器。お風呂やキッチンで「お湯が出ない」「温度が安定しない」などのトラブルに直面すると、日常生活に大きな支障が出ます。
給湯器は精密な機械であるため、故障の原因はさまざまです。この記事では、給湯器のよくある故障原因を症状別に整理し、修理・交換の判断ポイントまで詳しく解説します。
よくある故障① 給湯器からお湯が出ない
給湯器トラブルで最も多いのが「お湯が出ない」という症状です。
- お風呂を沸かそうとしたのに水しか出ない
- キッチンの蛇口からいつも通りお湯が出ない
- シャワーの温度を変えても変化がない
これらの症状は、日常生活で最も直接的に不便を感じるトラブルの一つです。
特に冬場は、温かいお湯が出ないだけで体調や安全にも影響が出ることがあります。
お湯が出ない原因と対処方法
①ガス供給トラブル
ガスを使用する給湯器でお湯が出ない場合、まず確認したいのはガスの供給です。ガスメーターの安全装置が作動していると、給湯器は点火できません。また、プロパンガスの残量不足や元栓の閉止でも燃焼が始まらず、水しか出なくなります。集合住宅では、共用管のガス圧不足も影響することがあります。
【対処方法】
- 元栓やガス栓が閉まっていないか確認する
- プロパンガスの場合はボンベ残量を確認し、供給業者へ連絡
②点火不良
長年使用している給湯器では、バーナーや点火プラグが劣化し、着火信号が届かなくなることがあります。これにより安全装置が働き、燃焼が停止するため、お湯が出なくなります。
【対処方法】
- 電源の入れ直しを試す
- 改善しない場合は部品交換が必要のため、専門業者に依頼する
③基盤・センサー故障
給湯器は温度や水量を常にチェックしています。基盤やセンサーに不具合があると、安全装置が作動して燃焼が止まるため、お湯が出ない状態になります。
【対処方法】
- 機器の点検や内部部品の交換が必要になるため、専門業者に依頼する
④水道管の凍結
蛇口から水も出ない場合は、水道管が凍結している可能性があります。特に屋外設置の給湯器や外気にさらされる配管では、気温が下がると水が凍り、給湯器の運転が停止することがあります。
【対処方法】
- 自然解凍を待つ
- 凍結している部分にタオルを巻き、50℃程度のお湯をかける(熱湯はNG)
よくある故障② 給湯器から水漏れ
給湯器からポタポタと水が漏れているというのも、よく起こるトラブルの一つです。
10年以上使用している給湯器の場合、部品の経年劣化により水漏れのトラブルが起こりやすくなります。
給湯器から水漏れする原因と対処方法
①配管接続部やパッキンの劣化
長年使用すると、配管接続部やパッキンが劣化し、微細な隙間から水が漏れることがあります。水漏れを放置してしまうと、建物や周囲機器の損傷につながるため、早急な対応が必要です。
【対処方法】
- 専門業者にパッキン等の部品交換を依頼する
②タンクや内部部品の劣化
給湯器内部のタンクやポンプなどの部品も摩耗や亀裂で水漏れを引き起こします。特に経年機器では注意が必要です。
【対処方法】
- 部品交換または本体交換が必要になるため、専門業者に点検を依頼する
③水道管の凍結
冬場の屋外設置や寒冷地では、配管が凍結して破裂することがあります。蛇口を開けた際に水が勢いよく漏れることもあり、速やかな修理・交換が必要です。
【対処方法】
- 水漏れがひどい場合は、応急措置として止水栓を閉めておく
- 水道管の修理を業者に依頼する
よくある故障③ お湯の温度が安定しない
給湯器の温度設定を熱くしているのに、「ぬるいお湯しか出ない」「冷たい水が出てくる」といったお湯の温度が安定しなくなるトラブルも起こります。
お湯の温度が安定しない原因
①温度センサーの故障
温度センサーが劣化すると、お湯が設定温度に達したかどうかを正確に判断できません。そのため、蛇口から出るお湯の温度が急にぬるくなったり、逆に熱くなったりすることがあります。
②熱交換器の劣化
長年使用した給湯器では、熱交換器内部に水垢やスケール(汚れ)が溜まり、お湯を十分に温められなくなります。結果として、設定温度通りのお湯が出ず、温度が不安定になります。
③配管のつまりや水圧不足
集合住宅や高層階では、水圧不足や夜間の水量変動によって温度が安定しないことがあります。また、配管内の詰まりや汚れも水流を阻害し、温度調整に影響します。
お湯の温度が安定しないときの対処方法
状況を業者に伝え、点検・修理を依頼しましょう。
よくある故障④ 異音がする
通常、給湯器からは「ブーン」という作動音が聞こえますが、ファンなどに異常があると、「ゴー」「ヒュー」といった音がすることがあります。
異音がする原因
①バーナーの燃焼不良
燃焼が不安定になると「ゴーッ」といった異音が発生します。燃焼不良はお湯が十分に温まらないだけでなく、ガス消費量増加や異臭の原因にもなります。
②ファンモーターの劣化
ファンモーターは給湯器内部の排気や燃焼を助ける部品です。長期間使用すると摩耗し、異音や運転不良を引き起こします。
③配管内の汚れ
給湯器内や配管に汚れが溜まると水の流れが悪くなり、異音の原因になります。水圧変動と合わせて、聞き慣れない音が発生することがあります。
異音がするときの対処方法
異音かどうかの判断は個人では難しいため、業者へ点検を依頼しましょう。
よくある故障⑤ エラーコードが出る
給湯器は、異常や故障がある場合、エラーコードが表示されるようになっています。
表示されているエラーコードを確認することで、どういった異常もしくは故障が発生しているか把握することができます。
エラーコードが出る原因
①基盤やセンサー異常
給湯器は温度や水量をセンサーで監視しており、基盤やセンサーに不具合があると異常を検知して運転を停止します。安全装置作動のため、お湯が出ずエラーコードが表示されます。
②燃焼不良や給排気異常
燃焼に必要な空気が不足したり、排気がうまくいかないと給湯器は安全のため停止します。エラーコードで状況を確認し、詰まりや部品劣化を点検する必要があります。
③過熱防止作動
給湯器は内部温度が高すぎると、過熱防止装置が働きます。これにより運転が止まり、リモコンにエラーコードが表示されます。
エラーコードが出たときの対処方法
エラーコードの意味は、給湯器メーカーの取扱説明書に記載されていますので、エラーコードが出た場合は、まず取扱説明書を確認しましょう。
エラーコードの中には、「888」または「88」のように異常や故障ではなく、
お使いの給湯器の標準使用期間がすぎたことにより、点検時期を知らせるコードもあります。
まとめ
給湯器の不具合には「お湯が出ない」「温度が安定しない」「異音がする」「水漏れする」「エラーコードが表示される」など、さまざまな症状があります。その原因はガスや水道の供給トラブルから、内部部品の劣化、配管の凍結まで多岐にわたります。
ガスの元栓やガスメーター、凍結の有無などを確認してみることで解消できる場合もありますが、専門的な点検や修理が必要なケースも少なくありません。特に基盤やセンサー、バーナーなどの内部部品に関わるトラブルは、ご自身での対応が難しく危険を伴うこともあります。
共立空調では、給湯器の点検・修理から交換工事、水道管の修理まで一貫対応しています。 地域密着で迅速に駆けつけ、各種補助金にも対応しておりますので、給湯器の不調でお困りの際はお気軽にご相談ください。
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