毎日の暮らしに欠かせない「お湯」。
そのお湯をつくる給湯器には、さまざまな種類があります。
最近では、ガス給湯器や石油給湯器、省エネや環境への配慮からエコキュートやハイブリッド給湯器を選ばれるご家庭も増えていますが、用途や設置環境によって最適な機種は異なります。
この記事では、給湯器の種類と特徴、選び方のポイントなど詳しく解説します。
主な給湯器の種類
住宅やマンションでよく採用される給湯器を種類別に整理します。導入環境・費用・光熱費・維持管理などの観点から違いを把握しましょう。
ガス給湯器
ガス給湯器は、水道から給水された水をガスの燃焼熱で瞬時に加熱する仕組みです。給湯器内の流量センサーが水の流れを感知すると、バーナーが点火して熱交換器で水を加熱し、設定温度のお湯を蛇口や浴槽に供給します。貯湯タンクを持たないため、必要な分だけをその場で加熱でき、常に新鮮なお湯が使えます。浴槽に追い焚き機能がある場合は、循環ポンプで浴槽のお湯を回しながら加熱する構造になっています。
【メリット】
- お湯がすぐに出る
- 設置費用が比較的安い(約10〜25万円)
- 貯湯タンクが不要なため、省スペースに設置できる
【デメリット】
- ガス代が高くなることがある
- 停電時は使用できない
- 排気管の設置や換気が必要
石油給湯器
石油給湯器は、灯油を燃焼させて水を加熱する方式です。燃料タンクから灯油を給湯器に送るポンプが作動し、バーナーで灯油を燃焼させます。その熱が熱交換器を通して水に伝わり、お湯として蛇口や浴槽に供給されます。燃焼熱量が高いため寒冷地でも安定した温度のお湯を供給できる点が特徴です。
【メリット】
- 灯油が比較的安価で光熱費を抑えられる
- 寒冷地でも安定してお湯が出る
- 給湯能力が高く、大量のお湯にも対応可能
【デメリット】
- 灯油の補充が必要
- 燃焼音や臭いがある
- 設置スペースが大きくなる
電気温水器
電気温水器は、水道から給水された水をタンク内の電気ヒーターで加熱し、タンクに貯める方式です。加熱したお湯は必要に応じて蛇口や浴槽に供給されます。夜間の電気料金が安い時間帯に加熱することで、日中の電気代を抑えることが可能です。タンク式のため一度に大量のお湯を使う場合には再加熱に時間がかかる点に注意が必要です。
【メリット】
- 火を使わず安全性が高い
- 夜間電力を使えば光熱費を節約できる
- 停電時でもタンク内のお湯をしばらく使用可能
【デメリット】
- タンク容量以上にお湯を使うと再加熱に時間がかかる
- タンク設置スペースが必要
- 長期間使用するとタンク内に水垢や汚れが溜まる
エコキュート
近年採用率が高まっているのが、エコキュートです。
エコキュートは、空気中の熱を利用して水を加熱するヒートポンプ式給湯器です。屋外の空気をヒートポンプユニットが吸い込み、冷媒を加熱し、その熱を熱交換器を通じて水に伝えることでタンク内の水を温めます。貯湯タンクにお湯を貯めて蛇口や浴槽に供給する構造で、少ない電力で大量のお湯を作れるため省エネ性が高いのが特徴です。
【メリット】
- 光熱費を大幅に削減できる
- CO₂排出量が少なく環境に優しい
- 貯湯タンクのお湯を非常時の生活用水として使用可能
【デメリット】
- 本体価格・工事費が高め
- 貯湯タンクと室外機の設置場所や騒音対策が必要
- 冬季は外気温の低下で効率が下がることがある
ハイブリット給湯器
エコキュートの省エネ性と、ガス給湯器の即効性を組み合わせた最新型の給湯器です。
ヒートポンプでお湯をつくり、不足分をガスで補うため、エネルギー効率が非常に高くなります。
【メリット】
- 光熱費を大幅に削減できる
- 寒い季節でも安定してお湯を供給できる
- 追い焚きや自動給湯などの機能も充実
【デメリット】
- 初期費用が高い
- 機器構成が複雑で、設置条件を確認する必要がある
給湯器を選ぶ際のポイント
給湯器を交換したり新しく設置したりする際には、いくつか確認しておくべきポイントがあります。適切に選ぶことで、日々の生活の快適さや光熱費、長期的なランニングコストに大きく差が出ます。ここでは、特に注目したい4つのポイントをご紹介します。
給湯器の種類
まずは、使用する燃料や方式による給湯器の種類を選ぶことが基本です。一般的には、ガス給湯器、石油給湯器、電気温水器、エコキュートなどが選択肢となります。ガス給湯器は初期費用が比較的抑えられ、コンパクトな設置が可能で、導入しやすい点が魅力です。電気温水器やエコキュートは火を使わないため安全性が高く、特に小さなお子さまや高齢者がいる家庭でも安心して使えます。灯油を燃料にする石油給湯器は、光熱費を抑えられる点がメリットで、寒冷地での使用にも向いています。また、長期的なランニングコストを重視する場合は、ガスなら「エコジョーズ」、石油なら「エコフィール」のように、排熱を再利用して効率よくお湯を作る省エネタイプの給湯器も選択肢に入れておくとよいでしょう。
給湯能力(号数)
給湯器の号数とは、1分間に水温プラス25度のお湯を何リットル供給できるかを表す数値です。例えば16号の給湯器であれば、1分間に16リットルのお湯を供給できます。世帯人数や使用シーンによって適した号数は異なります。目安として、単身世帯には16号、夫婦2人暮らしなら20号、4人家族の場合は24号程度が一般的です。家族の人数が多くなると、同時に複数の場所でお湯を使う機会が増えるため、号数は少し余裕を持って選ぶと安心です。
設置タイプ
給湯器の設置方法もチェックしておきたいポイントです。戸建て住宅では、外壁やベランダに設置する「壁掛けタイプ」と、地面の上に設置する「据え置きタイプ」が一般的です。
一方、マンションや集合住宅では、ベランダの壁掛けや玄関横のパイプスペースなど、建物の構造に応じた設置方法が決まっている場合があります。給湯器を交換する場合は、基本的に既存と同じ設置タイプを選ぶことが工事費や施工のしやすさの面で望ましいです。
オートタイプ・フルオートタイプ・給湯専用タイプ
浴槽への自動湯はりや追い焚き機能の有無も給湯器選びでは重要です。
オートタイプはリモコン操作で設定した温度と湯量で湯はりを自動で行い、温度が下がると追い焚きもしてくれます。
フルオートタイプは、オートタイプの機能に加え、浴槽のお湯が減った時の足し湯や排水時の自動洗浄まで全自動で行えるタイプです。
給湯専用タイプはお風呂の自動湯はり機能がなく、蛇口でお湯を使うシンプルなタイプです。
生活スタイルや予算に合わせて、どのタイプが最適かを判断しましょう。
給湯器の寿命と交換のタイミング
一般的な給湯器の寿命は約10年とされています。
使用年数が経つと故障や不具合が増えるため、寿命を迎えた場合は交換を検討する必要があります。
ただし、定期的にプロによる点検や日常のメンテナンスを行うことで、10年以上使用できる場合もあります。
長く安心して使うためには、点検や清掃も重要です。
給湯器の交換費用の目安
給湯器を交換する際には、本体費用に加えて工事費がかかります。
他にも既存給湯器の廃棄費用や機器の接続に必要な各種部材費用がかかる場合があります。
ガス給湯器の場合、号数や機能が大きくなるほど交換費用は高額になりますが、一般的には20万円未満で交換できるケースが多いです。エコキュートやエコジョーズなどの省エネタイプは初期費用が高めですが、長期的に光熱費の節約につながるため、初期費用だけでなくランニングコストも考慮して、給湯器の種類を選ぶ必要があります。
補助金を活用して給湯器の交換費用を抑えよう!
給湯器を新しく設置・交換する際は、本体費用や工事費がかかるため、導入コストを少しでも抑えたいと考える方も多いでしょう。そんな場合に役立つのが、国や市町村の補助金制度です。
現在、国の補助金制度では、「給湯省エネ2025事業」があります。
この補助金は、エコキュートやハイブリッド給湯器など、省エネ性能の高い給湯器を導入する方を対象としています。
エコキュートを設置する場合は最大で13万円、ハイブリッド給湯器の場合は最大で15万円の補助金が支給されます。さらに、既存の電気温水器を撤去して交換する場合には、追加で4万円の補助金が受けられる場合があります。
なお、「給湯省エネ2025事業」の対象となるのは、2024年11月22日以降に工事に着手したものです。最新の要件や申請方法は、経済産業省の公式ホームページで確認することができます。
まとめ
給湯器は、ガス給湯器、石油給湯器、電気温水器、エコキュート、ハイブリッド給湯器など、燃料や仕組みによって特徴が異なります。ライフスタイルや設置環境、重視するポイントに合わせて最適な給湯器を選ぶことが重要です。
給湯器は一般的に寿命が約10年とされ、寿命が近づくと故障や不具合が増えるため、交換を検討する必要があります。交換費用は本体価格や工事内容によって変動しますが、省エネタイプや補助金を活用することで負担を軽減できます。
最近では、無料点検を装い不要な機能の給湯器を勧めてくる業者や、価格が安くても雑な施工で後々トラブルになるケースが多くなっています。給湯器の選定や交換を安心して行うには、信頼できる業者への依頼が大切です。
共立空調では、創業50年以上、滋賀県湖南市、栗東市、甲賀市、草津市、東近江市を中心に、給湯器の販売・交換・修理まで、一貫して対応しております。
国や市町村の補助金にも対応しておりますので、まずは、無料お見積もりからお気軽にお問い合わせください。

